「歩くことは、大地という書籍を読むこと」
■歩く効用
最近見たテレビで体重過多の男性タレントが、そのダイエットに最も効果があったこととして、「ひたすら歩くこと」と言っていました。ダイエットに限らず、運動不足解消や健康増進にウォーキングが効果があることはよく知られています。
自転車をよく利用するほうですが、昨年秋に歩数計をもらってから、つとめて歩くようになりました。自転車とはまた違った風景に気がついたり、入ったことのない路地に迷い込んだり。ブラブラと楽しみながら歩くと、不思議と活力がわいてくるような気がします。特にこの季節は寒さも和らぎ、歩くにはちょうどいい季節。
歩数計をつけて歩くのは気が引けましたが、ポケットに入れたり、カバンに入れたりしても歩数がカウントできるタイプ。万歩計というと、どこか「オジサンくさい」イメージがありますが、これなら人目を気にする必要もない。最近はスマホのアプリでも、歩数のカウントができるようなので、わざわざ購入する必要もないでしょうが。
ジャパネット高田の高田明前社長も歩くことの効用について語っています。「たまの休みの日は何もせず家の中で過ごすことが多かったのですが、今は休みの日などに散歩することが多くなりました。歩き始めて一番変わったのは、四季の移り変わりを感じるようになったこと」だと。
■「歩くことは、大地という書籍を読むこと」
歩数計は別名「万歩計」。これは商標なんだそうですが、一日に歩く距離のめやすになります。厚生労働省は一日の歩数として男性9000歩、女性8500歩を推奨しています。10分歩くと約1000歩といわれるので、一日90分歩く計算です。
『万歩計』は山佐時計計器株式会社の登録商標です。当社の"歩数計の製品名”です。*万歩計®の山佐(ヤマサ YAMASA)
大作家の池波正太郎も散歩好きだったそうです。夜更けから朝まで執筆をこなして正午近くに起きてから散歩をするのが日課でした。気分転換で歩いているうちに、新たな着想がひらめいて、次から次へと書くことが頭に浮かんでくると。
これは、「文章のみがき方」(2007年)にあったエピソードです。本の著者の辰濃和男は、「歩くことは、大地という書籍を読むこと」だと述べています。筆者のような、読書好きが歩くようになって、その意味がよくわかるいい言葉です。ちなみにこの著者は、朝日新聞のOBで天声人語のコラムを担当していたこともある人です。