「PR下手伊勢志摩の挑戦」という日経MJの記事
■志摩観光ホテルのアワビステーキ
伊勢志摩サミットが本日26日に開幕しました。日本では2008年の北海道・洞爺湖サミット以来です。10年ほど前になりますが、今回の会場の賢島にある志摩観光ホテルに、一度だけ泊まった経験があります。
山崎豊子原作の「華麗なる一族」の舞台にもなった由緒あるホテル。ホテルから英虞湾が一望でき、小説さながらの光景を堪能することができます。ちなみにこのホテルの名物は「アワビステーキ」。各国の首脳にもおそらくふるまわれるのでしょう。思い出すたびに舌なめずりしてしまう、今でも忘れられない美味の一つです。
■「伊勢うどん」と「おかげ犬」
三重県には、全国的に有名な伊勢神宮があります。20年に一度の伊勢神宮の「式年遷宮」が2013年にあったばかり。聞いたところによると、20年ごとに社殿を建て替えるので、保護を目的とする世界遺産にはそぐわないのだとか。1300年以上の歴史を持つ場所ですが、申請すらしていない。
伊勢神宮のすぐそばのおかげ横丁も人気スポットだし、松阪牛や伊勢エビなどコンテンツに事欠かない三重県です。北国育ちの筆者にとっては、どうしてもなじみが薄い場所。
前回のサミットでは、翌年の洞爺湖町の観光客が約1割減少しましたが、その二の舞を避けようと、知恵を絞っているという記事が5月23日の日経MJにありました。「PR下手伊勢志摩の挑戦 サミット商法で勝つ」という記事です。
「伊勢うどん」と「おかげ犬」を取り上げていますが、どちらも筆者にとっては初耳。その意味では、「PR下手」という指摘はその通りなのかもしれません。
伊勢うどんは、黒い濃厚なつゆを太いうどんに絡めて食べるもの。トッピングは控えめなのが主流のようですが、7種の具材を使った「G7サミット伊勢うどん」なるものもあるそうです。
また、意外なことに犬と伊勢神宮とのかかわりは深く、江戸時代、病気などで伊勢神宮への「おかげ参り」ができない主人に代わり、犬を参拝させるのが流行り、これを「おかげ犬」と呼ぶようになった。
この頃、江戸からも多く人が参拝に駆け付けたようですが、交通が未発達の時代なので、皆歩いていくしかない。なので、行きたくてもいけない人の代わりに犬を連れていきました。
そんな犬との浅からぬ縁から、昨年12月に伊勢市内にオープンした「スヌーピー茶屋」には行列が絶えないのだとか。他にも犬をテーマにしたあやかり商法によって新たな観光客を呼び込もうとしているそうです。
記事によれば、伊勢志摩方面のインバウンド需要の拡大も目論んでおり、「2014年に約18万人だった外国人宿泊者数は5倍となる年90万人を見込む」と。
ちなみに、洞爺湖の湖畔にはサミットの記念館(ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパとは別)があります。使われた円卓や座れる椅子などが保存され、交流の様子を知ることができます。4,5年前の夏に行きましたが、とっても空いていました。(苦笑)