広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。

「愛される商品であり続けるには、愛される会社であり続けなければならない」ことを具現化している会社

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「コーポレートPR」と「マーケティングPR」という区別

 広報活動を、企業と商品やサービスに分けて、「コーポレートPR」と「マーケティングPR」という区別をすることがあります。筆者がメーカーで広報担当者をしていた頃は、前者しか頭になく、そうした区別をほとんど意識したことはありませんでしたが。

 

 それは、「企業の認知度が高まれば、自然と商品やサービスの認知度も高まる」と思っていたから。今でもこの認識にさほど変わりがありません。そもそも「企業広報だからこうしなきゃとか、商品だから別のやり方で」というものでもないし。

 

 B2B企業の広報にいたがゆえに、特にそのように感じるのかもしれません。しかし、改めて考えると「逆も真なり」。「商品やサービスの認知度が高まれば、自然と企業の認知度も高まる」。特に消費者に密着した商品を扱うB2C企業なら、このように考えても不思議ではありません。

 

ガリガリ君」に感じたこと

 その好例に、安価な棒アイスとして圧倒的な知名度を誇る「ガリガリ君」があります。以前はそれほどの認知度とは思えなかった製造元の「赤城乳業」ですが、4月に25年ぶりの値上げを決め、それに併せて放映された「お詫びCM」が話題になるなど、相乗効果は間違いない。

www.akagi.com

 

 商品やサービスの広報にしろ、企業そのものの広報にしろ、そこに欠かせないのは「人」です。「ガリガリ君」の現在の知名度が築かれたのも、そこで働く多くの社員の努力があったからこそ。

 

 「お詫びCM」では、社長以下がずらりと並び、深々と頭を下げました。結果として、これが多くの反響を呼び、多くの注目をあつめるきっかけともなりました。あのニューヨーク・タイムズがそのニュースを1面で伝えるなど、CMを広報素材として、多くの露出効果があり、売れ行きにも好影響があったといいます。

NYタイムズ1面に「ガリガリ君」値上げ記事 テレビCM一場面も - 政治・社会 - ZAKZAK

 

■工場で働く従業員にも「愛される理由」

 同社には、「業界日本一の生産能力を誇る工場」があるといいます。

mainichi.jp

 

 この記事で興味深いのは、「親近感を持ってもらおうと業務に支障のない範囲で見学者に手を振ってもらうよう従業員にお願いしています」という案内者のコメント。メーカーにいると工場見学はつきもの。

 

 ただ、筆者のいた会社の工場は、常に危険と隣り合わせの現場だったので、「手を振る」余裕はもちろんありません。それだけに、とても新鮮でした。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 見学者に対して、ガラスの向こう側にいる作業着姿の従業員が手を振ってくれる。単純なことのようですが、それだけで企業との距離感がグッと縮まる気がします。「愛される商品であり続けるには、愛される会社であり続けなければならない」ことを感じる企業姿勢。見習うべき点です。

 

 今夏は猛暑の予想。「ガリガリ君」を食べる機会も増えそうです。

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