広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

新聞の中で最もよく読まれるのは社会面でもテレビ欄でもないらしい

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多種多様な情報を知ることができるメディア

 財団法人新聞通信調査会が昨年10月に発表した「2015年メディアに関する世論調査結果」の中に、「新聞についてどう思う?」というものがありました。

 

 新聞に対する肯定層(「そう思う」+「どちらかといえばそう思う」の合計)は、その印象を「新聞で多種多様な情報を知ることができる」(70.7%)、「新聞に書いてある情報は正しい」(60.3%)、「新聞は他のメディアより責任感をもって情報を発信している」(54.1%)の順に評価が得られました。

 

 ただ、「新聞で多種多様な情報を知ることができる」にも年代別のばらつきが見られ、20代、30代が7割を下回りました。また、「新聞は他のメディアより責任感をもって情報を発信している」と感じている20代、30代も5割を切っています。こんな結果にも、「新聞離れ」の一端を感じることができます。(10代の新聞に対する評価は20代、30代より高いのもちょっと意外ですが。)

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

■新聞で読まれる「地元関連」の記事

 新聞でよく読む記事で最も高い支持のあったのは、「地元関連」で94%。社会関連も引けを取らず93.3%でした。新聞購読を習慣とする読者にとって、この二つは外せないことがわかります。(ちなみに低いのは「経済関連」82.5%、社説71.2%)

 

 広報担当者の視点で考えると、「地元関連」の記事(面)がよく読まれているというポイントは見逃すべきではありません。企業にしろ、お店にしろ、新聞に取り上げてもらいたいと考えた場合、地方面がかなり“ねらい目”だから。

 

 「地元関連」の記事とは、その地方に住んでいる読者を対象にした、地域密着型の面のこと。通常、「地方版」といわれます。全国紙はもちろん、地方紙にも同様の面があります。全国紙にも地方紙にも支局がありますが、新聞を読めば、自分たちがいるエリアをカバーする支局の連絡先がわかります。

 

 新聞を読まない理由として、冒頭の調査のトップ回答は、「テレビやインターネットで十分情報が得られる」で75%。インターネットで得られる情報の入手先といえば、ポータルサイトやキュレーションメディア。新聞社のサイトもその一つです。

 

 意外と気づかないことかもしれませんが、ポータルサイトやキュレーションメディアにある情報も、実は新聞社が提供するものがかなりある、ということ。つまり、一次情報はもともと新聞というわけです。

 

 「テレビやインターネットで十分」と思わずに、「地元関連」の記事への掲載を目指すなら、まずは新聞を定期的に読んでみよう、と提案しておきます。

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