広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

広報なのかPRなのかはたまたパブリシティなのか

 

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 自分たちがやっている活動が広報なのかPRなのかはたまたパブリシティなのか。これまでの感覚では、まず広報=パブリシティ。属していた広報部の英文名称もPublicity Departmentだったし。

 

 B2B企業の広報出身で、企業広報主体だったのでPRという言葉はほとんど使いませんでした。なので、マーケティング寄りの広報活動を意味するものがPR。つけ加えるなら、広告や宣伝という文脈で使われることもある、誤解を招きやすい言葉だと。

 

 三省堂大辞林(ウェブ版)によると、広報とは、「官公庁・企業・各種団体などが,事業内容や活動状況を一般の人に広く知らせ,理解を求めること。また,その知らせ」とあります。一方、PRとは、「①会社や官公庁などが事業内容や施策などを一般に広く知らせること。②売りこみ。宣伝」と。

 

 類似する言葉としてパブリシティがありますが、「企業・団体・官庁などが,その製品・事業などに関する情報を積極的にマス-コミに提供し,マス-メディアを通して報道として伝達されるよう働きかける広報活動」と説明されています。広報=パブリシティがあながち間違っていないと思えます。 

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 ところが、publicityを英文辞書(英辞郎on the WEB)で引くと、「①〔活動または組織を表す〕広報、宣伝。②〔宣伝によって作られた〕注目、評判、知名度、③広報内容、宣伝記事、④公開、周知、知られていること」とあります。国語辞典と英和辞典で解釈が違うという不思議なことになってしまいます。ちなみに、public relationsは「パブリック・リレーションズ、ピーアール、広報活動、渉外事務」とあります。

 

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 あくまで一つの辞書に書かれていることの比較ですが「広告・宣伝」という言葉が説明に出てこないのは広報とpublic relationsです。裏を返せば、「PRもパブリシティ(publicity)も、広告の意が含まれる」と。

 

 対外コミュニケーションの手段として、広報と広告は両輪であることは間違いないし、これを組み合わせることで大きな効果が期待できます。最近「戦略PR」関連の書籍を図書館で借りましたが、「なぜ広報ではなくPRなのかなと?」という読後感が残りました。

 

 「企業や団体の対外コミュニケーションには大きく分けて広報活動、そして広告・宣伝活動の二つがある。有機的に結び付けるのが大事」、「PRやパブリシティにはそのどちらの意味もあるので、使い方に気を付けよう(というか自分たちがやっていることではないので使わないようにする)」というのが筆者の結論です。

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