白川郷のニュースで知る蛍光灯禁止の誤解?
■白川郷のライトアップ
世界遺産の白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県大野郡白川村・富山県南砺市)が世界文化遺産に登録されてから20年を迎えたのを記念して、12月9日にライトアップされたそうです。
7,8年前に一度だけ白川郷に行ったことがあります。白熱電球を省エネ性の高い電球形蛍光灯へ交換するというイベントの仕事でした。観光目的ではなかったものの、独特の景観美は記憶に残っています。
訪問した頃は、電球形蛍光灯が白熱電球に比べて省エネルギー・長寿命ということで、普及啓発が行われていた時期。切り替えることで電気代の節約や地球温暖化防止につながると。
以前、「記念日マーケティング」のことを書きましたが、このときのイベントも記念日を狙って行われました。10月21日の「あかりの日」です。照明関連団体が制定しました。1879年のこの日、トーマス・エジソンが実用的な白熱電球を発明したのを記念したものです。
■蛍光灯が使えなくなる?
11月26日、「蛍光灯や白熱電球の生産や輸入の規制を強化し、原則としてできなくする方針を固めた。2020年度以降に、全ての照明の供給をLEDにすることを目指す」と各紙が一斉に報じました。
ところが、日本照明工業会は12月2日に「2020年に白熱灯(白熱電球)、蛍光灯(蛍光ランプ)製造が禁止されることはありません」とする否定コメントを出しています。
さらに、「エネルギー消費効率の高い製品の普及促進をめざし、製造事業者等に機器等のエネルギー消費効率の向上努 力を求めているトップランナー制度に関して、照明製品を一本化した新たなトップランナー制度の導入検討がこれから開始されますが、これは2020年に白熱灯(白熱電球)、蛍光灯(蛍光ランプ)の製造を禁止するものではございません」と。
経産省も「誤解」とする内容の解説を掲載しています。
【60秒解説】「蛍光灯は禁止?」の誤解(METI/経済産業省)
「誤報」だとしたら、訂正がありそうなものですが、それは見かけないので、このブログを書くまでは「誤解」したままでした。
■白川郷も意外な観光地
ところで、日経ビジネス11月30日号で「おらが村のインバウンド」という特集が組まれていました。この中で外国人観光客のSNS分析による「意外な観光地35」の中に白川郷・五箇山も入っていました。
国内には世界文化遺産が2015年現在で15件ありますが、ここ白川郷・五箇山だけが「意外な観光地」に含まれています。今後もずっと変わらないであろう日本の古きよきたたずまいが外国人観光客の心に響くのでしょうか。