広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

新任広報担当者に気を付けてほしいたった一つのこと

 

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■挨拶のアポ取りをPR会社にさせる違和感

 広報はある意味社長と並ぶ、会社の顔です。会社の顔であれば、それを売り込むのが仕事です。最近、記者から聞いた話ですが、それなりに知られた会社にもかかわらず、広報マネージャーが替わったというので、その新任挨拶のアポイントをPR会社に委託しているということでした。

 

 その新任マネージャーにどれほどの広報の素養があるのか知りません。しかし、挨拶のアポ取りをPR会社にさせるのが当たり前とし、それを忠実に実行しないPR会社を「ダメ」と判断するようなパーソナリティの持ち主なのだとしたら、違うのではないかと思います。

 

 確かにPR会社はクライアントの広報を代行する機能を持っています。マスコミとのネットワークもあるので、記者の方々にお会いしてネタを売り込むということは日常的に行われていることです。記者も時間さえ許せば、こちらのリクエストに応えてくれることが多いはずです。

 

 しかし、目的が新任挨拶だった場合、「挨拶のアポイントぐらい自分で取れないものか?」と感じる記者も多いのではないかと思います。アポ取りをPR会社に丸投げする広報を、記者はどのように感じているか?ということに思いをめぐらせてほしいです。

 

■PR会社はメッセンジャーなのか?

 PR会社側にも問題があります。クライアントからのオーダーを、右から左に「挨拶したいと言っているので時間をくれ」とではなく、「会社紹介をさせてほしい」、「新商品の動向について説明したい」といった目的に転じないと、ただの「メッセンジャー」です。

 

 「挨拶だけならまた今度」と思う記者でも、「○○について紹介させてほしい」というリクエストには時間の許す限り答えてくれることが多いのです。新聞社によって違いますが、担当記者は定期的に変わります。1年程度というところが多いでしょうか。それより短い場合も少なくないので、できるだけ多くの取材先に会おうとするのは当然のことかもしれません。

 

 アポ取りなど「朝飯前」と動いてくれるPR会社を重宝する会社も多いかもしれませんが、自分の会社にとってどちらがいいかとの長期的な目線に立てば、広報担当者が自ら動くことも学んでほしいと思います。

 

 エージェンシーなどに頼まずとも、その気があればすぐに実行に移すことができることだし、そのほうが記者の印象もいいわけですから。記者とのリレーションを長く良好に保つには最初が肝心です。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 「社長が花なら、広報は花瓶」、「社長が絵画なら、広報は額縁」といったたとえが使われます。花や絵画の良さを最大限に引き出すには、花瓶や額縁の役割がとても重要だと知ってほしいと思います。

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