三上、三多そして、三中(「思考の整理学」より)
ブログを続けていると、「何を書こうかな」と思いをめぐらすことがあります。企業ブログなどを担当している人は日々ネタを搾り出すのに苦労することも多いと思います。
筆者も例外ではありませんが、「思考の整理学」(外山滋比古著)という本に、ヒントになりそうなことが書いていました。
■文章を練るのによいところ:「三上」
欧陽修という北宋の偉人が、文章を練るのにもっともよいところとして、「三上」があると。馬の上、枕の上、厠の上です。枕とトイレは現代でも通じます。馬の上はさすがに無理でも電車、自転車などがそれに代わるものといえます。
本によればこれら「三上」は、「文章を練るのに適すると同時に忘却に最適な場所でもある」。「文章を工夫することにかかる前に、忘却によって、頭をきれいに、よくはたらくようにしてもらわなければならない」。「練る前に忘れる」ことこそが、「思考の整理」に欠かせないことだと説いています。
■文章上達の秘訣:「三多」
また、欧は 文章上達の秘訣として「三多」とも述べています。「看多、做多、商量多」ですが、これだとさっぱりわかりません。それぞれ「多くの本を読むこと」、「多く文を作ること」、「多く工夫し推敲すること」だそうです。
■思考の形成に役立つ:「三中」
三上、三多と来て、本の筆者の外山氏は「三中」を加え、それが「思考の形成に役立つように思われる」と述べています。その「三中」とは無我夢中、散歩中、入浴中です。何かの最中が「いい考えの浮かぶいい状態である」と述べています。
ここには「話の最中」が含まれませんが、コミュニケーションの仕事に関わっていると人から話を聞きだしたり、相談することでなるほどと思うことが少なくありません。なので、私は「話し中」も加えて「四中」にしたいと思います。