空調20度と20%タイムを実践するGoogle
■一年中20度に設定されているGoogle
先日も朝日新聞のコラム「経済気象台」から取り上げましたが、去年の8月25日のそれも興味深い内容で、切り抜きを残しています。「空調20度のススメ」と題されたものです。
エアコンの温度設定は、冬は20度、夏は28度が推奨されていることはご存知の方が多いでしょう。コラムを書いた「慶」氏が、海外IRの場で米国人ファンドマネジャーから聞いたところによれば、Googleは一年中20度に設定されていると。その理由は、「人間の頭脳が最も効率的に回転し、効率的に仕事ができるのは、少し肌寒いくらい」の温度が20度だから。
横並び意識が先に立つ日本では、「効率性や合理性が疎んじられ、潜在能力を活かしきれないという指摘もある」と述べ、「日本全体はやがて平等に沈む」との海外投資家の声を紹介しています。
■「20%タイム」の導入
「20」という数字で思い出すのは「20%タイム」です。「Google誕生」(2006年)によると、同社では3人ほどのチームで仕事を進めることが多い。そのほかに、社員それぞれが仕事時間の20%を使って、最も関心のあることを研究することになっている。
週5日働くとしてちょうど1日分。米の大学が教授たちにも、個人的な興味を追求する自由な時間が与えられていることをヒントに、同社に持ち込んだのだそう。いくつか利点がありそうですが、その一つに「視野を広げる」ことがあげられます。
「(Google創業者の二人は)コンピュータおたくではあったが、同時に別の世界に対しても非常に幅広い関心を持っていた。概して、この二つを兼ね備えていないと世界で成功するのは難しい」といみじくも書かれています。
検索をしようとGoogleを立ち上げたときにあらわれる、ロゴに工夫と遊び心を凝らしたデザインも、そうした一環ではないでしょうか。無味乾燥なロゴよりも開く楽しみもある。例えば、1月30日は「アムリタ・シェール・ギル生誕 103 周年」でした。
この名前を知る日本人は多いと思えません。もちろん筆者にも当てはまります。それこそ”ググって”みると、「20世紀のインドで最も重要な女性画家」だということがわかります。
同じ日でも国によってデザインが違うこともあります。例えば2月8日の旧正月。ベトナムバージョンと米国や韓国ではそれ以外バージョン。そして旧正月とは無縁の「ドミトリ・メンデレーエフ生誕 182 周年」の3パターン。日本はこれでした。
同社は、こうした日替わりロゴデザイン(Doodleという、いたずら書きの意)について、「Google の個性や革新への熱意を表す興味深い行事や記念日を祝うという目的に沿って、Doodle を作成する対象」を選ぶのだそうです。