人前で話すのが苦手な人ほど落語教室がいいらしい
■アニメがきっかけで寄席に若い女性が
新宿にある寄席の「末広亭」が賑わいを見せているそうです。東京新聞の記事で知りました。記事によれば、「昭和元禄落語心中」という深夜にこの春までTBSで放映していたアニメがきっかけらしい。
アニメに登場する落語家は架空ですが、落語の演目や舞台となった「末広亭」はほぼ忠実に再現されているそう。
社会人になったばかりの1990年代前半は、多くのスナックが軒を連ね、上司に連れられてよく新宿三丁目界隈で飲んだことを思い出します。創業70年の「末広亭」は残りましたが、再開発とともに、多くのスナックはすたれてしまいました。
落語を題材にしたアニメ、という時点で興味をそそられますが、「一人で何役も演じる話芸の落語は漫画で描写することが難しく、本格的に古典落語を扱った漫画は『昭和元禄-』が初めて。通の落語ファンから、落語に初めて触れるアニメファンまで幅広い層に支持された」と。
落語を聴くようになってまだ日が浅い筆者。くだんのアニメに興味津々ですが、第二期の制作も決まったということでちょっと楽しみです。
■人前で話すのが苦手な人ほど落語教室がいいらしい
5月16日の朝日新聞には「落語うまくなるには」というタイトルの記事がありました。シニア世代向けの「リライフ」という毎週月曜日に掲載されている見開きの特集の中にあります。
落語教室に通う生徒たちの声が紹介されており、「人前でうまく話せるように」と落語を始めた40代の大学の先生は、「大勢の前で話す度胸がついた」と。
大学の先生なら、日々多くの生徒を前に講義を行っているはずですが、それでもこうした教室に通って訓練をおこなっているそうです。別の社労士を生業とする生徒も「人を笑わせるのは難しいが、初めて高齢者施設で披露した時にわらってもらえてうれしかった」と。
現役の落語家で落語教室の講師も務める方によれば、落語がうまくなるこつは4つ。
- 大きな声で、急がず、間を取って話す。
- 左右に顔の向きを変えることで登場人物の区別をつける。
- 間違いは怖くない。
- セリフはノートに書いて覚える。
落語というとファンはお年寄りというイメージが先行しますが、若い人でも十分楽しめるものだし、人前で話す訓練にもなる。そんなことを、二つの記事を読んで感じました。
余談ですが、人前で話す時は落語家も少なからず緊張するといいます。それをほぐす方法をある落語家は「ウケる」しかないと。確かに。。