広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

自己PRと会社PRの共通点

■三つある自己PRの黄金ルール

 就活や転職の面接の場で、自己PRは欠かせません。履歴書や職務経歴書に書いてあるのだから、言わなくてもわかってもらえる、と思っているところがあります。しかしそれではダメ、発想の転換が必要だと「日本人の9割は正しい自己紹介を知らない」(2014年)にありました。

日本人の9割は正しい自己紹介を知らない――世界標準の仕事プロトコールの教科書

 「自己PRの黄金ルール」というものが紹介されています。以下の3つです。

  1. 世のため人のために貢献しようという熱意がある。
  2. 経歴や専門性によって熱意が裏付けされている。
  3. 相手に対して共感を示す。

 この中で、経験の浅い世代の場合、2がネックになりやすい。あるいは歳を重ねても経歴や専門性に自信が持てないという人も多い。こうした人は「その分野を必死に勉強している、取り組んでいるということを補うべき」と。

 

■自己PRの出発点とは?

 これに続いて、「実戦的な10の自己PRの技術」についても、説明があります。詳しくは本書を手に取っていただきたいですが、その中の一つに、「自信があるように見せる」とあります。「過剰な自信や緩慢さはご法度」と戒めていますが、「自信を持つことがすべての出発点」だと。

 

 心がけとして大事なことが三つあるといいます。「大きめの声でゆっくり話す」。「練習を繰り返し、話す内容を覚えこむ」。そして、「議論や質問内容を事前にシミュレーションしておく」。以前、スティーブ・ジョブズのプレゼンのことを書きましたが、自己PRでも同じ心がけが必要なことがわかります。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

■広報にも通じる黄金ルール

 「自己PRの黄金ルール」を知って、自己を会社に置き換えると、広報担当者のあるべき姿に通じるものがあることに気がつきます。会社は社会的な存在です。どのような価値や貢献を提供しているか、「熱意と相手に対する共感」をもってステークホルダーに伝えることが求められます。

 

 伝統のある会社なら、伝えられることは豊富だし、明確。新興企業でも、自分たちの理念に基づき、熱意を持って取り組んでいることが明確なはずです。たとえ会社の歴史は浅くても。加えて、相手、この場合ステークホルダーに共感を示せば、ステークホルダーに共感してもらいやすくなります。

 

 新たに業界を担当することになった記者との初面談の時に、「今日は会社説明の機会をいただきありがとうございます」と感謝の気持ちを伝える。「先日、○○について書かれた記事を興味深く読ませていただきました」と誠実な関心を寄せていることを伝える。こうした積み重ねが結果として、いいリレーションができていくのだと感じます。

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