広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

「遅くとも10分以下。早ければ早いほどいい」というルール

f:id:yhkhashimoto:20170309201253j:plain

 

■迷うことなく一報を
 「30分ルール」をという組織の連絡ルールがあることを「自治不祥事における危機管理広報」という本で初めて知りました。これを実践しているのは東京都足立区です。この本によると、区長の携帯電話には、課長級以上の管理職全ての携帯電話番号、メールアドレス、自宅の電話番号が登録されているのだと。

自治体不祥事における危機管理広報―管理職の心得と記者会見までの対応―

自治体不祥事における危機管理広報―管理職の心得と記者会見までの対応―

 

 
 そしてひとたび緊急事態が起こると、「30分以内」に区長に第一報をするというルールを徹底しているそうです。「今起こっていることは緊急事態なのか?」、「夜遅くに連絡するのは相手にとって迷惑なのではないか?」といった判断に迷う場面も多いと考えられますが、「情報のトリアージ選別とか優先順位を意味するフランス語)などと言っていると余計にハードルが上がる」から、迷うことなく、一報しなさい、ということのようです。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

■緊急事態で大事なこと
 緊急事態が発生した際に最も重要なこととして、「初動の重要性」が挙げられます。そして初動において重要なのは、関係者間で情報を共有するということです。平時から緊急連絡網や通報フローを整備しておくことは、有事のための備えの一つといえます。しかし、整備をしていても、徹底されていなければ意味がありません。その意味で、組織のリーダーが「30分ルール」を決めて、定期的な訓練をしておけば、いざという時に適切な対応を取ることができるでしょう。

 工場火災が発生したことがある某社の広報担当者の話を以前聞いたことがありますが、「火災発生から消防署への連絡に10分以上かけるのは問題だ」といいます。この会社の場合、発見者や自衛消防隊による初期消火を試みたため、連絡まで10数分かかってしまいました。

 この会社に限らず、「この程度の火災なら消火できる」といった判断ミスや社内ルールとして発見者による消防署への通報を認めず、自前で消火活動を行うことが前提の会社もあります。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

■ボヤでもいいから連絡を
 この広報担当者が消防署員から、「ボヤでも良いからすぐ連絡してくれ」と咎められたそうです。つまり、「(結果として、)消火活動をせずに消防車が帰っても問題ない」と言い換えることができます。この会社では、この火災を教訓に火災発信機と連動した消防署とのホットラインを設置しました。

 火災発生時の消防署への第一報は「遅くとも10分以下。早ければ早いほどいい」というルールが適用できそうです。

yhkhashimoto.hatenablog.com

 

 久々の投稿となりましたが、時間を見つけてこれからもブログを続けたいと思います。