広報パーソンのつぶやき

事業会社の広報担当者と広報コンサルティングの経験からコミュニケーション全般をメインに、ライフスタイル風なネタも。全国通訳案内士(英語)

読書

USPとは顧客にとってのメリットで、自社の製品やサービスの強みなどではない

■「なぜ、あなたはここに存在するのですか」 「限界はあなたの頭の中にしかない」(2015年)という本を読みました。この本の著者であるジェイ・エイブラハムは本書の中で「私は、憂き目だらけの人生を経験」したと吐露します。経済的な面と結婚生活の両方に…

広報にも「フリーエージェント社会の到来」と15年前の本にあった

■68歳のフリーエージェントおばあちゃん 「フリーエージェント社会の到来 新装版」(2014年)を読み返しました。初版は2001年ですが、15年経った今でも新鮮な内容にあふれています。フリーエージェントというとプロ野球の自由契約選手を想像しますが、英和辞…

人を動かすのに必要なのは「誠実な関心を寄せる」こと

■コミュニケーションにおける「もんしろちょうちょう」 日経新聞の3月7日付夕刊に「交流会での人脈の築き方」のポイントとして「もんしろちょうちょう」という“語呂合わせ”が印象に残る記事がありました。筆者自身は交流会にはほとんど出席したことはありま…

コーチングでは5W1Hではなく4W1Hを使って質問する

■四輪大型馬車という意味もある「コーチ」 「コーチ(coach)」はスポーツ競技の指導者を表す言葉として定着していますが、もう一つの「四輪大型馬車」という意味はあまりなじみがないかもしれません。ちなみに高級皮革製品のブランドにも馬車があしらわれて…

余白を意識し、情報を詰め込みすぎないようにする

■日章旗に占める赤い部分の面積比 誰にとってもおなじみの日章旗ですが、赤い部分の面積の占める割合について、「引き算する勇気」(2015年)を読んで意外なことを知りました。本によれば、1000人アンケートの結果、30%が最も多く、40%、50%がこれに続く…

好奇心が人生を豊かにする(後編)

■企業のメンター制度 人生やキャリアの方向性を決めあぐねているときに、自分の資質を理解しているメンター(指導者、助言者)が背中を押してくれたり、軌道修正してくれたりすることがあります。尊敬できる会社の上司のケースが、多いでしょうが、自分に好…

好奇心が人生を豊かにする(前編)

■一万円札の肖像画 一万円札の肖像に描かれている偉人といえば、誰もが知る福沢諭吉です。その福沢諭吉が書いた代表的な著作といえば「学問のすゝめ」。初編は1872年(明治5年)に刊行され、1876年に完成しました。 ウィキペディアによれば、「最終的には300…

「あの編集長とはポンユーだから」(苦笑)

■「知るきっかけ」を得た後にすべきこと インターネットはもちろん、新聞やテレビといったメディアに接すると、いろいろな情報が入ってきます。メディアはまぎれもなく、「知るきっかけを得る」のに適しています。ただ、自戒を込めて思うのは、「一次情報を…

ネガティブな声をコントロールするためにスタートしたプロジェクトが転換した訳

■SNSを活用して賛同者を増やす方針に転換 2005年の夏に米国で発生し、多くの犠牲者・被害者が出た大型ハリケーン・カトリーナの際、批判の矛先が赤十字社に向かったといいます。「災害がすぐそこで起こっているのに、有効な手立てを取らなかった」と。 SNSに…

何をもって情報弱者?スマホとにらめっこするのが情報強者とは思えないんだけど

■本当の”情報弱者”とは 「情報弱者」-「マスコミ報道やインターネットなどに触れる機会が少なく、情報の入手において不利な環境にいる人。また、情報の価値や真偽の判断に慣れていない人」(デジタル大辞泉) 最近読んだ「情報汚染の時代」(2014年)で、そ…

自分の評判は自分ではわからない。だから、評判を新たに作るには「一貫性」が大事

■自分の評判は自分ではわからない 何年も前のことを振り返って、事あるごとにその手柄や成果を持ち出す人がいます。聞いている周りの人間は、「何の意味ももたない」と感じているのに。過去にしがみついているだけにしか聞こえないないし、いっそ「それで今…

空調20度と20%タイムを実践するGoogle

■一年中20度に設定されているGoogle 先日も朝日新聞のコラム「経済気象台」から取り上げましたが、去年の8月25日のそれも興味深い内容で、切り抜きを残しています。「空調20度のススメ」と題されたものです。 エアコンの温度設定は、冬は20度、夏は28度が推…

「寝逃げ」という言葉で思い出した新製品発表会

■「寝逃げ」って何? ほどほどの晩酌のせいか、本を片手に床に入っても、ほどなくして眠りに落ちてしまいます。それでも、お酒の量が多かったり、いやなことがあった翌朝はどうしても睡眠不足に陥りがち。 そんな時に「寝逃げ」という方法があることを「睡眠…

「心のゴミ」を捨て、「決断の瞬間」から勇気をもらう

■「捨てるテクニック」 「捨てなきゃいけない — これが、現代に生きている私たちにとっての至上命題だ」。2000年のベストセラーになった「捨てる!技術」の書き出しです。その10年後には「断捨離」という本が出て、これもベストセラーになりました。整理や収…

スターバックスと「すべてのジェンダー用の『とある場所』」

■スターバックスを崩壊させる三つの方法 外出先で打ち合わせや休憩をするときに便利なのがカフェの存在です。昔は喫茶店がこうした時の定番でしたが、ほとんど見かけなくなりました。ただコーヒーは大好きでも、肩身の狭いスモーカーのため、スターバックス…

失敗からどう学ぶべきか?

■失敗を「仮想体験」する たった一つの不祥事や騒動でそれまで築いてきた企業ブランドが一瞬にして崩壊してしまうことが後を絶えません。最近のタレントの例のように個人にも同じことが言えます。 yhkhashimoto.hatenablog.com 誰にも大小の失敗はつきもので…

FRB元議長と天才テナーサックス奏者の出会いを知る

■バンドマンだったFRB元議長 アラン・グリーンスパンといえば、FRB議長(1987年~2006年)を務めた米金融界の大御所。その在任時の影響力は大統領をもしのぐとされます。その自伝「波乱の時代」(2007年)に少年時代に熱中していた音楽のことが書かれていま…

ペルソナ作りは先入観や偏りなしが前提

■ペルソナとは? ペルソナという言葉があります。ラテン語で人格、仮面を意味します。筆者は、作家の三島由紀夫の生涯を描いた猪瀬直樹氏の著書を読んだので、たまたまその言葉を知っていましたが、最近はマーケティング戦略の文脈で見聞きすることが増えま…

PRプランナーになれば「経験豊富」なのか?

■PR会社は「経験豊富」なのか? 「広報活動を始めて間もない会社や始めたいけど何をどうしたら効果的なのかがわからない会社は、経験豊富なPR会社に活動のサポートを頼むことも一案」、という主旨のことがある広報指南本に書いていました。 「経験豊富?」と…

文章を書く上で避けて通れない「思う」症候群

■「思います」という便利な言葉 「定刻となりましたので、ただいまより記者会見を始めさせていただきたいと思います」と口火を切るのは見慣れた(聞き慣れた)光景です。あるいは会社の送別会や忘年会などで「それでは、●●さんにご挨拶をお願いしたいと思い…

地元のパン屋さんとランチェスター戦略

■「塩パン」で一番手を目指す? 先日読んだ本に「二番手を目指した時点で、強いブランドづくりは失敗する」とあったことを書きました。一番になるのはたやすいことではありません。でも、特定カテゴリーならそれが十分可能だとありました。 yhkhashimoto.hat…

読者にわかる文章を突き詰めると短い文章になるらしい

■読者にわかる文章とは何か 文章というものは、個人の日記でもない限り、読者を前提としています。なので、読む人のことを気にしながら書かなければなりません。ブログやニュースリリースのように、不特定多数が読者であれば、なおさらです。 「自己表現」(…

”強いブランド”を作るときに覚えておきたいこと

■「2位じゃダメなんですか?」、「ダメなんです」 先日、2回に分けて「広報の仕事に興味があるなら、読んでおきたい本」を紹介しました。年末年始は地元の図書館の貸し出し可能冊数が普段の倍なので、新たな知見を得た本が何冊かありました。今回紹介する本…

広報パーソンこそ「連続スペシャリスト」へシフトすべし

■「ワークシフト」にあった興味深い言葉 遅ればせながら2012年に出版された「ワークシフト」をこの年末年始に読みました。2025年にどのような働き方をしているべきか、どのような資質を高めるべきかを問いかけた本です。 この中の「ゼネラリストから『連続ス…

踏ん張りどころの雑誌業界に期待する

■前年割れが続く出版物の売り上げ 2015年の国内の出版物の販売額が、前年より840億円少ない(5.2%減)およそ1兆5200億円となる見通しで、これまでで最大の落ち込みになるとの報道がありました。11年連続で前年割れだそうです。 200万部を超えるベストセラー…

広報の仕事に興味があるなら、読んでおきたい本(後編)

先日の続きです。 yhkhashimoto.hatenablog.com ■「企業防衛の時代」(1990年) 原題は「When You Are The Headline(あなた(の会社)が見出しになったら」。この本の著者は、人口心臓移植手術を手がける医療機関のチーフスポークスパーソンから、後に危機…

「ケルン・コンサート」の何がすごいのか

■「ケルン・コンサート」の何がすごいのか 1945年米国生まれで御年70歳。3歳からピアノを始め、20歳でニューヨークに進出。25歳のころにはマイルス・デイヴィスと競演しました。キース・ジャレットが若干30歳(!)のときにあの「ケルン・コンサート」を録音…

広報の仕事に興味があるなら、読んでおきたい本(前編)

以前、広報担当者におススメの小説を紹介しました。実務書やノンフィクションでも何かと参考にしている本がありますので、2回に分けて紹介します。 yhkhashimoto.hatenablog.com yhkhashimoto.hatenablog.com ■「広報110番―パブリック・リレーションズ実務事…

「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」は”Pretty cool! (かなりクール)”

■プレゼン指南の最高峰 記者発表の成否はプレゼンターに負うところが大きいことは、こうした場に立ち会ったことがある人なら理解できるのはないでしょうか。あのアップルを創業したスティーブ・ジョブズがプレゼンの名手であることはよく知られています。 最…

本は借りるより買うほうが身につきやすいのか?

「本は借りるより買うほうが身につきやすい」という主旨の記述をウェブで見かけました。「借りて読むと内容を忘れてしまうことが多い反面、買った本なら何度でも何時でも読み返すことができるし、気になる所に線を引いたり、折り目をつけたりできるから」と…