企業が行っている地道な努力という「価値」
■「価値」とは何か
「価値」という言葉があります。改めて考えることがなかった言葉ですが、参加しているセミナーで、その意味について学びました。
デジタル大辞泉によると、
- その事物がどのくらい役に立つかの度合い。値打ち。「読む価値のある本」「価値のある一勝」
- 経済学で、商品が持つ交換価値の本質とされるもの。→価値学説
- 哲学で、あらゆる個人・社会を通じて常に承認されるべき絶対性をもった性質。真・善・美など。
講師によれば、「価値」とは「機能」を「費用」で除したもの、「価値(Value)」=「機能(Function)」÷「費用(Cost)」。
”100均”の例を挙げ、個々の商品の機能が100円分(あるいはそれ以上)あると認めるから、その対価を払うのだと。その分の価値や値打ちがあると判断したわけです。当たり前といえば当たり前ですが、「価値とは何か?」といきなり問われても要領のいい答えはできないものです。
この式に基づけば、商品やサービスの価値をさらに高めるには、機能を高め、費用を下げなければならないことが理解できます。
■価値を創造し、伝達する
ビジネスを行う上で、顧客に「価値」を顧客に提供することが基本。価値を創造し、これを伝達することをマーケティングと言い換えることができます。
マーケティング戦略を策定するうえで押さえておくべきポイントは「ターゲット+4P」。対象となる顧客の具体的イメージを持ち、製品(Product)、価格(Price)、販促(Promotion)、そして販売チャネル(Place)を考える必要があります。
セミナーの講師によれば、この4Pに優先順位(Priority)を加えるべき、そして戦略の成否の9割は「販促」次第だと述べていました。(近年は「4Pは時代遅れ、今は4Cだ」という意見もあるようです。)
■企業価値を高めることとは
企業の広報担当者なら、商品やサービスを含めた事業活動全体の認知度を高めることが求められます。その最終的な目標は、一言でいえば「企業価値を高めること」です。
企業価値というと財務的なアプローチを指す言葉と思われがちです。企業価値とは株主価値のこと、時価総額を高めたり、格付けレーティングを上げたりすることが企業価値を高めることなのだと。特に上場企業なら、企業価値を計る指標として一理あります。
しかし、年明け以降の止まらない株価下落傾向をみてもわかるように、外部要因が大きく影響します。企業努力ではどうにもならない部分です。日々行っている地道な企業努力はそうした外部要因とは別の価値のはず。他社にはない優位性や明確な将来ビジョンを描く経営者などがそうです。
外部要因にとらわれずに、企業が日々行っている地道な努力という「価値」を愚直にステークホルダーに伝えることが、広報担当者にとって大事なことだと思います。