広報の仕事に興味があるなら、読んでおきたい本(前編)
以前、広報担当者におススメの小説を紹介しました。実務書やノンフィクションでも何かと参考にしている本がありますので、2回に分けて紹介します。
■「広報110番―パブリック・リレーションズ実務事典」(1998年)
広報に関する本は数多ありますが、初めて広報担当者になった20年前に渡されたこの本が最もしっくりきます。「しっくりくる」基準は人それぞれでしょうが、何より今でも通じる「ぶれていない」内容です。
広報の王道、広報のあるべき姿はたとえ出版当時から20年経っていても変わっていないはず。広報担当者が行うべき業務、知っておくべき知識を平易に解説しています。しかも適度な文量で。「さあ困った。来月から広報部配属だ」というときに迷わずこの本はおススメ。もちろん現役担当者でも得るものがあるはずです。
あえて言えば、インターネットを介したコミュニケーションの説明がほとんどありません。ただ、それがなくてもこの本が色あせるとは思いません。この本をきっかけに興味を深め、必要に応じてデジタルコミュニケーションについての知識を得ればいいと思うから。
ネットに関するの記述がないのが不満な読者にとっても1998年なら当然。その数年前に企業のHPができ始めたばかりなんだし。今とは時代が違うことを考慮しても、広報担当者に伝えるべきことを、忠実にかつコンパクトにまとめている本を他に知りません。以下の記事でもこの本を紹介しています。
■「レピュテーションマネジメント」(2005年)
広報にもトレンドというものがあるようです。数年前に「戦略PR」という耳障りがいいだけの言葉がもてはやされたり。「レピュテーション(=評判)」もその一つ。いくつか類書が出ました。
この本は三部構成になっています。「よい評判を築く」、「よい評判を保つ」、「傷ついた評判を修復する」です。お気づきの通り、広報担当者はこの三つのルールを着実に実行することが求められます。評判を高めることを意識しない広報担当者?そんな担当者をどこのメディアが信じるのでしょうか。
いい時も悪い時も「ぶれずに」レピュテーションを高める努力をする。これが広報担当者の本質ではないでしょうか。それを具体事例をふんだんに交えながら解説してくれる本です。著者はWall Street Journalの方で、内容に説得力があります。
後日、後編に続きます。