朝日新聞の経済部記者の働きぶりがわかる記事を読んで
■朝日新聞経済部記者の働きぶりがわかる記事
朝日新聞では「働き方改革を問う」という連載が続き、昨年来大きくクローズアップされたこの問題を追いかけています。その中で「朝日新聞の記者」の働く現場の実態を掘り下げた記事が2017年7月9日の朝刊に掲載されました。
日ごろ新聞記者との付き合いの多い広報担当者なら、とても興味深く読める記事です。5月15日に2016年度の決算見通しを発表した東芝を取材する電機業界の担当記者にスポットを当てていました。記事によれば、この日の記者会見に朝日新聞から約10名が出席し、会見には300人を超える記者が集まったそうです。
100人ほどの会見のサポートを筆者もしたことがありますが、その3倍です。先日行われた市川海老蔵さんの“涙の”記者会見には400人が集まったと、どこかに書いてありましたが、民間企業の会見でこれほどの規模は聞いたことがありません。
■夜討ち朝駆けは「記者の習い」?
この日、経済部に所属するこの担当記者は午前7時ごろから本社の玄関口で待機し、会見が始まる午後2時までロビーで原稿を書き、その速報を「朝日新聞デジタル」に出稿しました。朝刊用の紙面は別の記者数名で対応しました。その日の夜も、東芝の関係者宅に「夜討ち」を行ったことが書かれています。この日は帰宅が午前0時ごろで翌朝は5時半に「朝駆け」に向かっています。
東芝の巨額損失問題が起きてから、そんな生活が続いていると赤裸々に書かれています。筆者が記者と深い付き合いをしていた90年代後半とそれほど変わらないハードな日常が伝わってきます。記者と午前0時頃まで飲んで、そのまま帰宅するのかと思ったら、「ちょっと会社(や記者クラブ)に戻るから」と言われたことは何度もありました。
■日経でも「夜回り制限令」?
ハードな仕事ぶりでは他の追随を許さない(?)日経でも「夜回り制限令」を出し、そのかわり携帯電話の取材や会食で情報を取れ」と指示が出されていると最近読んだネット記事にありました。午前1時半ごろとされる最終版(14版)だけの入稿は原則禁止、14版で変更するのは1面と天変地異対応がある社会面や最新展開が必要なスポーツ面のみ、だと。ホントでしょうか?
先の朝日の記事には「『記者の仕事とはこういうもの』という考えは、今の世の中に通用しない」という危機感がある」という人事担当者のコメントが紹介されています。また、上記のYahoo!ニュースの記事によれば、「内定者が働き方への不安を口にして入社を辞退するケースが、会社の想定を上回っている」という危機感が日経にもあるといいます。
今から10年ほど前に日経のある編集委員が自嘲気味に「記者は『判を押したような生活』といえる。なぜなら、朝6時から午前2時までの勤務を定年まで続けるのだから」と言っていましたが、さすがにこうなると、記者の働き方は変わっていくのは間違いないようです。
アラフィフブロガーがおススメする『夏うた』の定番10曲
今週のお題「私の『夏うた』」
アラフィフブロガー(苦笑)でもたまにはこういうお題にチャレンジさせてください。音楽は人の心を豊かにしてくれるものです。NO MUSIC NO LIFEということで、70年代後半から長く音楽を聴いているものとしておススメの10曲を紹介したいと思います。並べてみるとベタな定番曲が多い印象ですが。
■「Long Hot Summer」(by The Style Council@1983)
童謡に「夏の思い出」というのがあり、その出だしが「夏が来れば思い出す~」ですが、夏うたといえば真っ先に思い出す曲です。スタイル・カウンシルは伝説的なイギリスのバンド「ジャム」でボーカルを担当したポール・ウェラーが結成したバンドですが、彼らの代表曲の一つ。MVも夏らしくおススメ。
The Style Council - Long Hot Summer
■夏の思い出(byケツメイシ@2003)
童謡のほうではなく、ケツメイシの同名異曲です。ケツメイシには「ドライブ」という「夏うた」の名曲もあり、悩むところです.。水着の女性が次々にプールに飛び込む様子を逆再生したMVが秀逸でこちらを選びました。
■Mr.サマータイム(byサーカス@1978)
最近、かなり久々に(おそらく40年ぶりぐらいに)最近聞きました。色あせることのない名曲だろ思います。
Mr. Summertime (a.k.a. Une Belle Histoire) / Circus 1978
■Ride On Time(by山下達郎@1980)
リリースされた当時は「カセットテープ」のコマーシャルでも使っていたような。夏によく聞く曲は山下達郎にはあまりにも多い。小林勝也のDJ入りのカセット(「Come Along」というタイトルでパート2に「Ride On Time」)を当時買いましたけど、高校生の頃にそのカセットが伸びてしまうほど聞いていたことを思い出します。
■シーズン・イン・ザ・サン(byチューブ@1986)
大学時代の夏うたの定番でした。「サマータイム」という曲も好き。当時、北海道にいましたが、札幌の占い師のアドバイスで、当初のバンド名のThe Tubeから”the”を取ったという話は知る人ぞ知る話。
■Sun King(by The Beatles@1969)
ビートルズと夏うたの接点はほとんどないと思うけど、あのアビーロードに入っている曲。「太陽王」というそのタイトルや虫の音の効果音を含め「夏うた」に認定したい。
■Club Tropicana(by Wham!@1983)
真夏のナイトクラブの様子をうまく表現した、今は亡きジョージ・マイケルの代表曲の一つ。
■波乗りジョニー(by サザンオールスターズ@2013)
SASには夏向けの曲は少なくありません、今でも愛聴曲はたくさんありますが、その長い期間の活動に敬意を表して、あえて割と最近の曲を。
■Ultraviolet(by U2@1991)
文字通り「紫外線」というタイトル。夏を歌った曲では必ずしもありませんが、力強いボーカルと、副題のLight Uo My Way(見えない光で僕の行く道を照らして、というような意味だと思う。)で、U2らしい力強い名曲です。
U2 - Ultraviolet (Light My Way) & With Or Without You (Washington August 16 1992)
■Two Months Off(by Underworld@2002)
2か月も休みが取れたら何をしていいかわかりませんが、ノリのいい曲です。この曲に触れたのはリリースしてからずいぶん経ってからですが、かなり衝撃をうけた素晴らしい名曲です。
消費者より弁護士を重視する企業姿勢が破たんを招いた?
■消費者より弁護士を重視する企業姿勢
先日、会合で初めてお会いした大手自動車メーカーのOBは、エアバッグの欠陥問題により経営破たんしたタカタについて、「(タカタは)弁護士の言うことを聞きすぎる一方で、ユーザーの言うことを聞かなかった」と評し、「今の時代、弁護士の言うことも消費者の言うことも同じように重視しなければならない」と述べていました。
製造業には品質問題がつきものですが、このOBの会社のトップは常々、「弁護士の言うことはほどほどに聞いて、ユーザーの言うことに真摯に耳を傾けるべき」だと言っていたそうです。トップの姿勢が品質問題への対処に深く影響することがこの言葉でよくわかります。
■説明責任を最後まで果たさなかった社長
タカタは6月26日に東京地裁に民事再生法の適用を申請しました。日本の製造業戦後最大となる負債総額一兆円にも上る巨額の経営破たんとなってしまいました。この日に同社の高田重久会長兼社長が記者会見を行いましたが、マスコミの前に姿を現したのはこれでわずか二度目。その前は2015年11月と1年以上前です。何かと問題の多い企業と思われていたにもかかわらず。
そのことを記者から問いただされた高田社長は、「いろいろな方から『再建プロセスに私見を述べるのは適切ではない』と言われていた。(説明を控えてきたのは)個人的に申し訳なく思っている」(2017年6月27日付け東京新聞)と釈明しましたが、上場企業として説明責任を果たしたとは全く言えません。
エアバッグの欠陥が指摘され始めたのは、2007年ごろから。09年には米国とマレーシアで10数人が亡くなりました。対応の遅れに業を煮やした米運輸省は2015年に「欠陥を認めず、不完全で不正確な情報を発信して、何百万人の米国民を危険にさらした」と糾弾したし、同じころに最大顧客のホンダも、タカタの対応の姿勢を厳しく非難しました。
■ノイズを出してでも・・・
この間、同社も再建に向けた諸施策を打ってきたはずですが、日経ビジネスでは「タカタ会長、最後まで死者への謝罪はなし 民事再生法の申請で会見も、変わらぬ『消費者不在』」と厳しく断罪しています。「消費者軽視ではないか」との記者からの追及に「(弁護士らによる)外部専門家委員会に任せ、ノイズは出すなと言われてきた。私が唯一言ってきたのは(完成車メーカーに対する部品の)安定供給を続けたいというお願いの行脚だけだ」と説明していますが。。。
社長なのだからノイズを出してでも、消費者に対する真摯な姿勢を示すべきだったのではないかと思うのは私だけではないと思います。